1年間で売上4倍!! 角川グループ− 電子書籍の勝利の方程式

bookwalker 電子書籍

角川グループにおける2012年度の電子書籍売上が急上昇している。プレスリリースを読んでみると、そこには、驚くべき成長がうかがえる数字が並んでいた。

◆角川グループの事業内容

角川グループは、デジタル戦略として、電子書籍販売のプラットフォーム「BOOK☆WALKER」を運営すると共に、各電子書籍店への取次事業も行っている。

気になる電子書籍の売り上げ実績だが、2013年3月期は、2012年4月期と比べ340%増に拡大したという。1年で売上が4倍以上になっているのだ。なお、その売上のうち30%は角川グループの直営ストア「BOOK☆WALKER」が占めている。

◆2012年 日本の電子書籍元年

2012年を振り返る時に、電子書籍というキーワードは欠かせないだろう。7月に楽天koboが、11月にAmazon Kindle Paperwhiteが発売。そして、2013年3月には、AppleがiBookstoreを日本で発売開始した。

電子書籍専端末の普及だけではなく、PC・スマホ、そしてタブレットの広まりも加わり、電子書籍の多様化が決定的になった年だ。

◆340%伸張は平均的な成長?

新しいデバイスが市場に広まることで、電子書籍の市場も大幅に拡大し、角川の電子書籍の成長へ影響した、ということはあるだろう。だとしたら、他の企業(電子書籍サイト)も同様に成長しているのだろうか?

比較検討するために、株式会社イーブックイニシアティブジャパンのIR情報を見てみた。同社は2000年から電子書籍事業を開始し、今ではコミックなど10万冊の品揃え(2013年3月時点)を誇る「eBookJapan」を運営している。

すると、2013年1月期の売上は2012年1月期と比べ139%増だった。データ集計期間などが異なるため厳密に比較できないとはいえ、電子書籍市場全体の拡大を考えても、角川グループの340%増という数字は驚異的なことが分かる。

◆角川グループのブランディング戦略

では、なぜ角川グループは、急成長できたのだろうか?その理由は、自社の強み「ライトノベル」に重点を置いたことにあるだろう。2012年度からは、グループ外出版社の作品の取り扱いも強化している。

「BOOK☆WALKER」の売上50%はライトノベルが占めているという。「電子書籍を買うならBOOK☆WALKER」というブランディングが出来れば、販売サイトにファンが発生する。実際、このサービスに月間3,000円以上の利用者が30%、10,000円以上の利用者が6%と、コアなファンが多くいることも頷けるだろう。

◆電子書籍市場のサバイバル術

自社の得意ジャンルを活かし、大成長を遂げた角川グループ。利用者の8割が男性であるなど、サイトの特徴をシッカリと掴んでいることが分かる。

さらに角川は進化をしようとしている。男性だけでなく女性読者を捉えようと、「BOOK☆WALKER」は男性作家によるBL(ボーイズラブ)という、強烈な個性が光る作品を揃え、男性に向けてもBLをアピールするなど、その企画力は他を突き放す。

明確なターゲットと、ターゲットを満足させるラインナップ。専門化した尖ったサイトを展開していくことは、電子書籍市場で生き抜く、ひとつのヒントとなるだろう。

参考:
角川グループ電子書籍 2012年度の売上が大幅伸張/PRTIMES
株式会社イーブックイニシアティブジャパン IR情報
一歩踏み出してみる?禁断のボーイズラブを電子書籍で!/BookWave
Photo:redoxkun,flicker


ブックウェーブのとっておき情報をFacebookでチェック!

Facebookでは、読書・本・ガジェット・海外おもしろ情報をお届けするブックウェーブの中から、友達にちょっと紹介したくなる(!?)とっておきの記事をライターが厳選して紹介しています!

Top